妻恋坂

妻恋坂 (文春文庫 き 16-5)
妻恋坂 (文春文庫 き 16-5)北原 亞以子

文藝春秋 2007-11
売り上げランキング : 145111

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



star yellowstar yellowstar yellowstar yellow
幸せになれない事が分かっていても、止められない、後戻りできない恋の道。それを不器用に歩む女たちの物語。バカな女かもしれないけど、傷ついても生きていかなきゃならないからね。(Kerog*)



内容
お町が番附売りの周二と出会ったのは霞ヶ関の坂道だった。男振りのいい周二から過去の話を打ち明けられたお町はいつしか恋心を抱いていた。だが周二の話にはたった一つ、ついてはならない嘘があったーーーー 表題作のほか、江戸の喧騒の中を懸命に生きる七人の女たちの営みなどを艶やかな筆で描く著者会心の短編集(文庫表紙裏より)



北原さんの描く女性は、若くても年増でも、どこか恋に純情なところがあります。そして男性は、騙すつもりが無くても心変わりしたり、女にいやな扱いをしたり、身勝手に振る舞ったり、でもかわいいところがあるからから困るんです。こちらも正直者だから。

北原さんは、そんな男に惚れてしまった女性が、幸せになったり傷ついて泣いたりする物語を描くのがとても上手い。この作品に限らず、どちらかというと女性の心情を色鮮やかに表現することが多いのですが、たとえ幸せになれなくても、一見するとバカな女でも、「いつか幸せになって欲しいな」と思わせるようなところがあります。

特に今作では、「妻恋坂」のお町や「金魚」のおなみが非常に都合のいい女で、同性から見ても「バカだなぁ」とは思うのですが、最後にはそういう彼女たちの生き方を受け入れてしまうので不思議です。

また、珍しく男性視点で描かれた「返り討ち」ですが、これはいつもの立場が男女逆。しかし、お人好しの阿弥六の人柄と顛末は、北原節が効いています。

そして今作は、男女ではなく、女同士の腐れ縁もあります。「道連れ」は、同じように客を取る女に、同情にもにた気持ちを抱きつつ、彼女のめんどうまで見てしまう、こちらも阿弥六同様、お人好しなおしんの話です。

図らずも、一時の止まり木のような女になってしまった「薄明かり」のおつやは、今回私が激しく幸せになって欲しい!と思った女性です。肩入れしてしまった理由はよくわからないのですが、懸命に店を切り盛りするうちに、密かに思っていた松吉が他と所帯を持ってしまったおつやが不憫でならず、それに加えて、おつやのつんつるてんの浴衣を着て、目を擦りながら口元をゆるませる甚三郎のかわいらしさにやられてしまったからでしょうか…。

北原さんの短編作品を読むのは久しぶりでしたが、どこか物憂い艶があって、ふだんがちゃがちゃと賑やかに過ごしている時間も落ち着かせてくれました。



妻恋坂
star yellowstar yellowstar yellowstar yellow
お町が番附売りの周二と出会ったのは霞ヶ関の坂道だった。男振りのいい周二から過去の話を打ち明けられたお町はいつしか恋心を抱いていた。だが周二の話にはたった一つ、ついてはならない嘘があった(表紙裏より)

仇討心中
star yellowstar yellowstar yellowstar yellowstar yellow
歳の離れた夫・宗庵を棄てて、若い文次郎と駆け落ちした登茂。女敵討ちを果たすため、二人を追ってきた宗庵。このまま逃げ続けたくないという文次郎。返り討ちすれば、今度は宗庵の仇として子供に追われる事になるため、それだけは避けたい登茂。二人が選んだ道は…

商売大繁盛
star yellowstar yellowstar yellow
五兵衛に囲われ、彼の料理屋「きむら」を繁盛させたおつやは、雇ってくれと店を訪ねてきた八十吉といい仲になる。ところが、二人のことが五兵衛にばれて、八十吉は逃げ、殴られたおつやは「きむら」に帰らず、助けてくれたおこうの店「夕月」を切り盛りする。ある日、おつやは「きむら」から出てくる八十吉をみかける。なんと彼は、「きむら」の若旦那におさまっていた。

道連れ
star yellowstar yellowstar yellowstar yellow
自宅で身体を売るおしんは、自分の客を横取りしようとしたおすえの身の上話につきあってから、同情ににた気持ちと、寂しさを紛らわしてくれる彼女の存在に気を許し、頻繁に泊まりにくるおすえを拒めない。ところが、おすえがおしんの男にちょっかいを出した。

金魚
star yellowstar yellowstar yellow
近江屋正右衛門に囲われているおなみ。その生活には不満はないが、離縁すると思っていた正右衛門は未だにその気配をみせない。その上、外で作った子供を育ててくれと連れて来た。仕方なく娘のおまきを引き取ったおなみだが、訪ねてくる正右衛門は、おまきに夢中だ。

返討
star yellowstar yellowstar yellowstar yellow
貧乏に苦労した阿弥六は、金を仇と思って溜め込んでいる。近所のおさとを密かに思っているが、そのおさとは、道楽者の亭主持ちの従姉妹おひさにしきりに金を無心されて困っている。しかも身寄りのない寂しさから、おひさの言うがままだ。それを見かねた阿弥六は…

忍ぶ恋
star yellowstar yellowstar yellow
海産物問屋の主人だった夫を早くなくし、今では子供が立派に後を継いでくれたおはまは、嫁入り前も何不自由無く育ち、嫁入り後もたいした苦労は無かった。根岸の寮で気ままに暮らしている。夫の従兄弟に当たる和兵衛とは、夫の死後に店の後見人のことで泣き言を聞いてもらってからの仲だったが、今はその和兵衛との関係も煩わしく、どこかつまらないおはまだが、和兵衛を拒むほどの理由もなかった。

薄明り
star yellowstar yellowstar yellowstar yellow
一緒になると思い込んでいた板前の松吉が、手伝いのおたみと所帯を持った。それほどがっかりもしなかったけど、何となく張り合いがなくなった料理屋を営むおつや。ある夜、飯を食わしてくれとやって来た貸本屋の甚三郎と、思いがけぬ仲になりしばらくして一緒になる事になった。甚三郎も親の遺恨を晴らすために続けていた貸本屋を辞めて、料理屋を手伝い始める。そこへ、かつて甚三郎の許嫁がやってくる。
関連エントリー















管理者にだけ表示を許可する


| ホーム |
Page Top↑
タグ
カテゴリー
タグクラウド
プロフィール

Kerog*

Author:Kerog*

Blog people
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム
ブログ内検索
リンク
セブンアンドワイで探す

Amazon

本について

□本を読む時間
通勤中 待ち合わせ 就寝前

□好きな本のキーワード
十字軍  幕末 戦国
ルネッサンス イタリア ギリシャ
沖縄 京都 家族 カフェ 江戸
週刊少年ジャンプ 週刊少年サンデー


□よく利用する書店

・仕事帰り
紀伊国屋(梅田本店)
ジュンク堂(三宮店・大阪本店・梅田店)

・自宅 
Amazon


セブンアンドワイ セブンアンドワイ

・絶版本探し
Amazon

eBOOKOFF


文庫オフ

・マンガ
ネットカフェで一気に。かさばるので、決まったものだけまんが全巻.COMで買う。



・絵本
絵本ナビ

フリーエリア

Powered By FC2ブログ
RSSフィード
フリーエリア

ページランク